先週の連邦公開市場委員会と雇用統計の結果について

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ゴールデン・ウィーク期間中の米国発ニュースのまとめ

 ゴールデン・ウィーク中、連邦公開市場委員会(FOMC)と雇用統計という二つの材料がありました。そこで今日はそれらを振り返っておきます。

連邦公開市場委員会

 53日(水)、連邦公開市場委員会が閉会し、声明文が発表されました。米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは1%のまま変更されませんでした。

足下の景気減速に対するFRBの見解

 声明文では、第1四半期のGDPが+0.7%という落胆すべき伸びにとどまったことに代表されるように、最近、米国経済に少し陰りが見えると認めたうえで、これは束の間のことであり、景気は再び加速するだろうと述べられました。
また今年の利上げ回数に関しては前回のFOMC3回という線がほのめかされたわけですが、その方針に変更があることを匂わせる表現は今回の声明文にはありませんでした。それはつまり6月と9月に利上げがあるということだと思います。
ちなみにフェデラルファンズ・レートの先物の取引価格から逆算される614日のFOMCでの利上げ確率は70%となっています。

 今回、景気減速の兆候が見られたにもかかわらずFRBが強気のスタンスを堅持した背景には、労働市場がしっかりしていることと企業の投資意欲にようやくアップティックがみられたことが挙げられます。

FRBのバランスシート圧縮に関しては言及なし

 一方、FRBのバランスシートの圧縮に関しては、今回の声明文には言及はありませんでした。
リーマンショック以降、FRBは景気支援のため量的緩和政策を行ってきました。それは簡単に言えばFRBが市場から債券を買い入れることで、逆に市場にキャッシュを放出することを指します。
そのようなオペにより、FRBの金庫には4兆ドルを超える債券の在庫があります。

FRBのバランスシートとは、つまりこの在庫のことを指しているのです。

 バランスシートを圧縮する方法としては、おもに二つの経路があります。

 ひとつ目は償還が来た債券が現金化された際、FRBはそのキャッシュでもう一度別の債券を買い直しているのですが、そのような再投資を止めるという方法です。FRBが在庫にしている債券の平均償還期限は7年なので、2008年から始まった債券買入れプログラムで購入された債券の多くは償還が来ています。したがってこのような消極的な方法でも在庫をゆっくりと減らしてゆくことは可能です。

 二つ目の方法としてはFRBが保有している債券を市場に売り返すやり方です。この方法は当面、使用されないと思います。

 今回の声明文にFRBのバランスシート圧縮に関する言及が無かったことは、2日間に渡るFOMCで、そのことが全く議論されなかったということを意味するわけではありません。もしかするとそれは議論されていたかもしれないのです。それが判明するのは524日に公開されるFOMC議事録待ちということになります。

雇用統計

  先週の金曜日には4月の雇用統計も発表されました。まず非農業部門雇用者数ですが、予想19万人に対し、21.1万人でした。

2月と3月の数字は下のチャートのように改訂されています。

 つぎに失業率は4.4%でした。

 これらの数字は景気が強いことを示唆していますが、その反面、やや景気に陰りを感じさせるデータもありました。

 まず労働力率が下がりました。

 

 次に平均時給ですが3月の数字が+2¢に改訂されました。その低い水準から4月は+7¢でした。

これはやや落胆すべき数字だと言えます。

まとめ

 足下の景気には少し減速を示唆するデータが出ていますが、FRBは大方の予想通り、53日のFOMCでは新しいことは何も打ち出しませんでした。金曜日の雇用統計は一見すると強い数字のように見えますが、丹念に調べると弱い要素を含んでいます。
これらのことをまとめると、大筋として政策金利のシナリオに再考を促す内容では無かったと思います。

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