石油輸出国機構(OPEC)総会で何が出る?

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石油輸出国機構(OPEC)総会

 52425日の両日、石油輸出国機構(OPEC)の会合がウイーンで開催されます。

三大産油国の動向

 今回の会合に先立ち、世界の三大産油国(米国、ロシア、サウジアラビア)のうち、米国を除くロシアとサウジアラビアの石油相は515日に、現在双方の国が実施している生産調整を来年の第1四半期まで延長する考えを打ち出しました。

ロシアとサウジアラビアの両国で世界の原油生産シェアの24%を占めています。

したがって、これらの国々が歩調を合わせて他のOPEC産油国に減産を呼びかけると、かなり説得力を持ちます。
このため今回のOPEC総会では他のメンバーも同調し、来年の第1四半期まで減産を続けることが発表される可能性が高いです。

減産は損?

ちなみに三大産油国の生産高の推移を見ると、米国はシェールの増産で生産高を伸ばしている反面、サウジアラビアは減産していることがわかります。

OPECの減産で原油価格が高くなると米国のシェール企業は増産しやすくなります。つまり減産は敵に塩を送る結果になるわけです。

サウジアラビアにとって目先の減収は眼中にない

 それにもかかわらずサウジアラビアが生産調整に前向きな理由は、サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を控え、そろそろ真剣に原油価格の下支えをする必要が出ているからです。

  そもそも原油価格が右肩下がりのダラダラ安を演じている局面では石油株のIPOなど誰も買わないでしょう。
ましてや今回のディールは過去最大の規模ですので株を売り切るためには相当のエネルギーが必要となります。つまり原油高を演出しなければサウジアラムコのIPOがズッコケる危険性があるのです。

既にサウジアラビア政府は引き返せない決断を下した

 売出しに際しては最低でも過去2年間の財務諸表を開示する必要があります。その損益計算書で「なんだ、サウジアラムコは余り儲けてないな」という風に投資家に思われると、IPOが失敗するリスクがあります。

 そこでサウジアラビア政府は、サウジアラムコがガンガン利益を出せるように、今年の11日まで遡って、同社がサウジアラビア政府に支払うロイヤリティーや税率を大幅に減額しました。
サウジアラビア政府は石油のロイヤリティーならびに税収から国庫の収入の大半を得ているわけですから今回の減額は政府にとって大打撃です。

政府がサウジアラムコの損益計算書を良く見せる意図で、自らの税収の少なからぬ部分を諦めた以上、サウジアラムコのIPOはぜったいに失敗できないのです。

  その反面、政府がサウジアラムコの最大株主なのでIPOが成功すれば税率変更による減収分をおぎなって、なお余りある莫大な含み価値を政府は享受できます。

トランプ大統領のサウジ訪問は成功

 幸い、ドナルド・トランプ大統領のサウジアラビア訪問は、両国の友好関係を確認する上で大変有意義でした。そのことはサウジアラムコの上場市場がニューヨーク証券取引所になることを決定的にしました。

つまり、サウジアラムコIPOは、これで一歩前進したのです。

まとめ

 2018年はサウジアラムコのIPOが予定されています。これに先立ち、サウジアラビアは原油高を演出する必要があります。すでにサウジ政府は税収をあきらめ、含み価値の最大化を目指す方向で一歩踏み出しました。そうである以上、減産による減収は、もはやサウジの眼中に無いと思います。むしろどうやって原油高を演出するか? それだけに集中すると思われます。

  

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