ドイツ連邦議会選挙まであと三ヶ月

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ドイツ連邦議会選挙

ドイツでは924日にドイツ連邦議会(Bundestag)選挙が行われます。ドイツ連邦議会は米国の下院に相当し、定数は630です。

ちなみに上院は連邦参議院と呼ばれます。しかし実際にはドイツ連邦議会の方が優越しており、実質的には一院制と言っても過言ではありません。

現在の勢力図は下の表(抜粋)のようになっています。


このうち一番過激なのではAfDですが、AfDは他の政党から嫌われており、どの政党も連立政権を形成したがらないと思われます。

 

現在の形勢

現在、ドイツキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)の二政党で構成される連立政権への支持者は39%となっています(ARD調べ)。

CDUはシリアなどから大量に難民が流入した2015年に支持率を落としましたが、現在は盛り返しています。このところドイツ経済が好調なのも、CDUへの支持が高まっている原因だと思います。

一方、ドイツ社会民主党(SPD)は元欧州議会議長シュルツ党首への人気で、一時支持率がCDU/CSU連合を上回ったものの、政策に具体性を欠くことを嫌気され、現在の支持率は24%まで急落しています。
AfDは現在、連邦議会に議席はありません。しかし反イスラム、反EUを掲げ、議席獲得を目指しています。現在の支持率はピーク時の半分の8%です。
AfDは難民問題が激化すると支持率が伸びる傾向がありますが、逆に難民問題が有権者の関心事で無くなると、ナチスを想起させるその過激な立場は、幅広い共感を得にくいです。

 

選挙後の連立政権形成について

これは選挙で各政党がどれだけ得票するかにかかっている問題ですが、たぶんCDUは今回の選挙でも単独過半数は獲得できず、連立政権の形成を模索することになるでしょう。

2013年の選挙では連立政権確立までに三ヶ月を要しました。

SPDが第一党となり連立政権を形成する場合は、数が足らないので少なくともあと二政党を仲間に引き入れる必要が生じます。

 

政策について

CDUが勝った場合でも、SPDが勝った場合でも、これらの政党はいずれも中道であり、極端に偏った政策は打ち出されないと思います。 またCDUSPDEU賛成派なので、今回の選挙がEUの存続を脅かすようなこともありません。

CDUは財政保守派なのでユーロ圏の他の国々の財政リスクをドイツが背負込むような政策に関しては、引き続き反対の立場を取ると思われます。
これに対しSPDEU全体で財政出動や先行投資の強化を行うことに、より前向きだと思われます。

米国のトランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)メンバー各国が応分の負担をするべきだということを主張していますが、CDUはその要請に応えてドイツの防衛支出をGDP2%まで引き上げてよいという考えを打ち出しています。なお現在ドイツの防衛支出はGDP1.2%に過ぎません。

これに対し、SPDは防衛支出を現行のままに抑え、その代り公共工事を増やし、最低賃金を引き上げることを主張すると思われます。その場合、ドイツの貿易黒字は減少すると予想されます。
SPDは伝統的にロシアと仲が良いです。このためSPDが勝てばウクライナ問題で冷え込んでいるロシアとの関係は改善することが予想されます。

 

ユーロについて

以上、見てきたように今回のドイツ連邦議会選挙ではCDUが勝ってもSPDが勝ってもEU賛成派なので大きな波乱は起きないでしょう。

SPDは成長支援的な政策を打ち出す可能性があるので、その場合はGDP成長率もインフレも加速するという見方が市場参加者の間に芽生えると思われます。

いずれにせよ今回の選挙はユーロの売り材料とはならないと思います。

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