FRBのバランスシート圧縮は9月?利上げより、こちらを優先へ

独立記念日にWSJが重要記事を掲載

7月4日(火)はアメリカの独立記念日で株式市場は休場でした。しかしこのタイミングを狙いすましたようにウォールストリート・ジャーナルが重要な記事を出しました。

 それはFRBは、バランスシートの圧縮を9月に開始することを検討している」とする記事です。

 この記事を書いているのは、同紙の新しいFEDウォッチャー、ニック・ティミラオスです。

利上げをお預けにし、バランスシート圧縮を優先へ

その記事によると「FRBは次の利上げを12月までお預けとし、その間にバランスシートの圧縮に着手する。そのような順序をハッキリ示すことで、市場がバランスシート圧縮のニュースにどう反応するか見極めることができる」としています。

6月の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは「年内にバランスシートの圧縮に着手したい」とし、その具体的な圧縮額として下のチャートに示されるようなプランを公表しました。

上のチャート中、横軸は「圧縮開始後の経過月数」を示しています。
ただそれを発表した際、肝心の開始月に関しては明言を避けたのです。

FRBが開始月をほのめかす「場」としては、次の三つのシナリオが挙げられています。

  1. 7月5日(水)に公開される6月のFOMC議事録の中で開始月に関する踏み込んだディスカッションがあったことが開示される
  2. 7月7日(金)イエレン議長の議会に対する金利政策報告の中で言及される
  3. 8月24日~26日にワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウムで発表される

次の利上げが12月という事自体はサプライズではない

CME FedWatchによると市場参加者は50.6%の確率で12月13日に予定されている今年最後のFOMCで次の利上げがあると織り込んでいます。(7月3日調べ)
つまり次の利上げが12月になるという事自体は市場参加者の予想と一致しており、サプライズではないのです。

新しい情報

しかしFRBのバランスシート圧縮開始月が「9月をターゲットにしている」というのは、新しい情報です。

FRBは、昨日のウォールストリート・ジャーナルの記事のように、市場の反応を見るために、わざとその意図をリークし、記事を書かせるように仕向けます。
 今日以降のマーケットの反応に注目したいと思います。