10月の雇用統計とFRB議長人事に関して

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雇用統計

先週金曜日、10月の雇用統計が発表されました。 

まず非農業部門雇用者数は予想31.2万人を下回る26.1万人でした。

なお、8月と9月の数字が合計で9万人上方修正されていることから、均してみると今回の未達は余り大袈裟に捉えるべきではないと思います。

9月は米国が相次いでハリケーンに見舞われた関係で、雇用統計の数字も乱れました。今回、過去の数字が大幅な上方修正となったのも、そのためです。
なお過去半年間の非農業部門雇用者数は平均すると+16.3万人でした。これをその前の半年間(+17.1万人)と比較すれば、雇用拡大のペースには殆ど変化は出ていないことがわかります。

次に失業率は予想4.2%に対し、結果は4.1%でした。

失業率の改善のペースは安定しています。

労働力率は0.4パーセンテージポイント下落の62.7でした。

次に平均時給ですが、今回は前月と、ほぼ変わらずでした。

なお、8月の数字も+4¢から+3¢へ減じられています。
今回、平均時給の数字が悪かったのは、ハリケーンが去って、低賃金の労働者が職場に戻ることが出来たため、それが全体の数字を押し下げたことによります。これは9月の数字が特殊事情で不自然に高かったことの反動と考えることも出来ます。

結論的には、米国経済はハリケーンの影響を余り受けませんでした。強いて言えば経済には若干の陰りが見えていますが、気にするほどのことではありません。

次期FRB議長の人選

先週、トランプ大統領がアジア歴訪をする前に、次のFRB議長をジェローム・パウエルにすると発表しました。
ジェローム・パウエルは現在、FRBの理事を務めており、FRBの仕事がどう進められるか?という点に関しては熟知しています。また彼は物議を醸しだすような言動が少なく、何事につけても穏健派なので、上院の承認投票もすんなり通ることが予想されます。
先週発表された雇用統計からは、現在FOMCメンバーたちが経済予想サマリー(SEP)の中で示している来年以降の政策金利、すなわちフェデラルファンズ・レートの予想に大きく変更を加える必要はぜんぜん無いと思います。

強いて言えば、最近、長短金利差が狭まっているので、アグレッシブに利上げするとイールドカーブが完全にフラットニングしてしまうリスクが出ます。普通、イールドカーブのフラットニングは、景気後退のシグナルだと受け止められます。
すなわち、FRB議長がジェローム・パウエルに替わっても、FRBはいきなり大胆な方向転換をする必要性は全く無く、むしろ以前よりもっと遅いペースで、イールドカーブがフラット化しないように気を配りながら、ゆっくりと取り組んでゆくことが望ましいのです。
これは、かねてからジェローム・パウエルが主張してきたアプローチと全く一致しています。