発明王 トーマス・エジソンと金融業界 ~働き一両、考え五両~

日本の竹をフィラメントとして利用した白熱電球の開発や蓄音器、映写機などの発明で有名な「トーマス・エジソン」

エジソンには、彼の人となりを知ることができる様々なエピソードがありますが、今回は知られざる(知ってる人は知っている)金融業界とのつながりという観点で発明家エジソンを見ていこうと思います。

【株式相場表示機】

まず、大陸横断鉄道が開通した1869年、エジソンが22歳のときに発明したのが「ストック・ティッカー・マシン=株式相場表示機(ティッカーテープと呼ばれる紙テープに銘柄と価格情報を刻印する機械)」です。

この発明の特許を売却することで大金を手にしたエジソンはこの資金を元手に会社を起こします。

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ところで、国内株式を取引されている方はご存知の数字4桁の証券コード(銘柄コード)ですが、海外では「ティッカーシンボル」といい会社名をイメージさせるアルファベットで表します。みなさんもご存知の会社で例をあげると、

Windowsやオフィスソフトなどのマイクロソフトなら「MSFT」
 なんか、モビル●―ツっぽいですね!

iPhoneやiPadなどのアップル インコーポレイテッドなら「AAPL」
 なんでAが二つなの?答えはAPLっていうティッカーシンボルがもうあるから

検索エンジンのGoogleで有名なアルファベット社なら「GOOG」
 社名を変更するなよ~

コカ・コーラをはじめとする清涼飲料水を製造販売するザ コカ・コーラ カンパニーなら「KO」
 ノックアウトとちゃうねん

コーンフレークで有名なケロッグなら「K」
 パフェとかに親の敵かってくらい入ってるんですよね。
 個人的には子供のころ「トニー、力が出ないよ~」ってCMのちょっと甘い奴が憧れでした・・・・

そして、今回のエジソンの話にも繋がるゼネラル・エレクトリック社なら「GE」

などがあります。

ちなみに、この「ティッカー」ですが、株式相場表示機の刻印時の音に由来しています。

【発明王トーマス・エジソンと金融王ジョン・モルガン】

1877年に蓄音器の実用化を果たしたエジソン(当時30歳)は、1878年(当時31歳)にエジソン電気照明会社を設立します。

このエジソン電気照明会社への出資者が金融王ジョン・ ピアポント・モルガン(JPモルガン)です。その後、エジソン電機照明会社はJPモルガンら出資者の手引きによりエジソン・ゼネラルエレクトリック社となります。

しかし、電力事業が上手くいかずついに1892年(当時45歳)に、JPモルガンら出資者によりエジソンは社長を解任させられてしまいます。(会社名からもエジソンが無くなり、ゼネラルエレクトリック社となってしまいます。)

発明王と金融王にこんな関係があったなんて、歴史は面白いですね。

ちなみにゼネラルエレクトリック社はダウ工業株30種平均(NYダウ平均株価)を構成する銘柄のうち、1896年5月26日の算出開始以来、唯一残存している会社として知られています。

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【エジソンの名言と投資】

エジソンの名言でもっとも有名なものは「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」だと思いますが、この他に「首から下で稼げるのは1日数ドルだが、首から上を働かせれば無限の富を生み出せる」というものがあります。

ただし、努力家の発明王エジソンと、金融王モルガンを比べてしまうと、どちらがより首から上を働かせていたのだろうと感慨深いものがありますが。

元は上杉鷹山の言葉ですが、日本の相場の格言では「働き一両、考え五両」というものもあります。これもエジソンの名言と似たニュアンスの格言です。

株式などの運用に限らず、会社経営でもサラリーマンとして仕事をこなす上でも、世の中の流れを読みそこから収益をあげようとすることは、「首から上を働かせる」ことだと思いますがいかがでしょう?