テクニカルアナリストが教えるサイクル分析の使い方

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株式も為替も取引をする上で相場の天井や底値のタイミングがあらかじめわかれば、売買もしやすいですよね!

実は相場の周期を探り、天井や底値を予想する分析手法がテクニカル分析にはいくつかあるんです。

そこで今回はこの相場における周期分析の基本となるサイクル分析について解説いたします。

サイクル分析で100%、相場の天井や底値のタイミングがわかるかといえば必ずしもそうとはかぎりませんが、特に中長期での分析では予想どおりになるケースがあると感じています。

是非、サイクル分析も覚えていただき、できれば分析の精度を上げるためにも他の分析と併用してください!

 

1.サイクル分析とは

景気や相場の周期、サイクルを研究する学者やアナリストは過去から現在に至るまで多数存在します。

サイクル分析は相場の周期から底値などのタイミングを予想する手法で、相場の周期を探る分析手法(一目均衡表の時間論、ギャン理論・メリマンサイクル・相場のフーリエ解析など)の基本になります。

ただ、個人的には相場のサイクル(周期)を探る手法についてはここでお伝えする内容だけ理解していれば、実務的(売買をおこなったり分析をする上では)には十分だと思っています。

ちなみに、移動平均線やトレンドライン分析、RSIや出来高分析といったチャート分析が相場の方向性や価格水準、相場の勢いなどから売買ポイントを探るのに対し、サイクル分析は時間自体を重視しているので、「いつ安値をつけそうなのか」といった文字どおりタイミングを探る手法となります。

ここではまずはじめにサイクル(周期)について触れ、サイクル分析について解説致します。

1-1 サイクルとは

サイクル(周期)とは、一定の間隔で同じことが繰り返される事象の期間になります。

自然現象
 惑星や衛星(地球、月など)の公転や自転
  地球の公転(1年)、地球の自転(1日)
  月の公転と自転(27.23日)
 太陽活動など
  太陽活動周期(約11年)
イベント
 米大統領選挙(4年)
 日本の参議院選挙(参議院選3年に1度)
 オリンピック(4年)
 サッカーのワールドカップ(4年)
 

1-2 景気のサイクル

 

株式相場も為替相場も各国の景気に左右されます。ここでは景気にサイクルが見られるとする景気循環理論について確認しておきましょう。

景気循環については、下の図のように景気を2つの局面で捉える方法と4つの局面で捉える方法があります。

【景気循環 2局面での捉え方】

20170104_1

【景気循環 4局面での捉え方】

20170104_2

ここで重要なのは、特に景気の谷になります。景気循環を2局面で捉える方法も4局面で捉える方法もどちらを見ていただいてもわかるとおり、景気循環の始まりと終わりは谷から谷までになっています。

周期を見る上で重要な事は、サイクルの谷から谷ということです。
「谷から谷までがサイクル」と言う考え方は後でも出てきますので、しっかりと覚えておきましょう!

 

なお、経済学的には以下のような景気のサイクルがあるとされています。

 ・キチン・サイクル
  (在庫循環 約40カ月≒約4年)
 ・ジュグラー・サイクル
  (設備投資循環 10年前後)
 ・グズネッツ・サイクル
  (建設循環・20年前後)
 ・コンドラチェフ・サイクル
  (技術革新・戦争など 50年程度)

 

こういった経済的なサイクルも株式や為替相場に影響している可能性があるということです。

 

1-3 相場のサイクル

景気のサイクルにコンドラチェフ・サイクルのように長期のサイクルがあり、その中にキチン・サイクルのような小さなサイクルがあるように、相場のサイクルも長期のサイクルの中に短期のサイクルがあると考えます。

また、相場でサイクルを見る場合にも、景気のサイクルと同じように相場の安値から安値までを確認します。

下の図は、相場の動きと相場のサイクルのイメージを示したものです。

【相場のサイクルのイメージ図】

20170104_3

実は「相場の動き」を示した黒い線は、単に「赤い大きなサイクル」と「青い中くらいのサイクル」と「緑色の小さいサイクル」を合成したものなんです。

実際の相場はこのような3つの単純なサイクルと言うわけではありませんが、大小様々なサイクルの合成により相場が形成されているという考え方がサイクル分析の基本になります。

1-3-1 相場のサイクルの調べ方

サイクル分析は自分で相場のサイクルを確認するところから始まります。

その上で重要なことは次の2点です。
・長期のサイクルから順に確認する
 月足チャートで長期のサイクルを、週足チャートで中期のサイクルを、日足チャートで短期のサイクルをといった流れで確認していきます。

・安値から安値までを利用してサイクルを調べる
 サイクルは安値から安値までを1サイクルとして考えます。

【相場のサイクル】

20170104_4
 

1-3-2 実際に相場のサイクルを調べてみよう!

下のチャートは米ドル/円の月足チャートになります。

【米ドル/円 月足チャート】

20170104_5
 
赤い線で高値安値を大雑把に結んでいますが、安値から安値までの期間を見ると16.5年(198カ月)周期で動いていることがわかります。

◎簡単に周期を確認する方法
長い期間のチャートのサイクルを1つ1つ、その周期がどのくらいかチェックするのは時間がかかります。
そこで、ここではざっくりと相場の周期を確認する方法をご紹介します。(それでもちょっと手間がかかるんです。)

 【手順】
  1.チャートに移動平均線を表示する。
  2.移動平均線の波の数を、上昇下落を1サイクルとして数える
  3.チャートの本数を移動平均線の波の数で割る

 

≪具体例≫
 例えば、下の米ドル/円の週足チャートです。
 全部で2404週分のチャートになります。ここに移動平均線を表示します。

20170104_6

ここでは、波の数を数えやすくするために52週移動平均線と26週移動平均線をチャート上ではなく、チャートの下に表示しています。
 
 
(数えてみると、、、)52週移動平均線は10個、26週移動平均線は44個の波を確認できました。
したがって、計算式は次のとおりです。

2404÷10個=240週
2404÷44個=55週

米ドル/円には240週のサイクルと55週のサイクルがありそうだということがわかります。

移動平均線の波は1つずつ数えなければいけませんが、安値から安値までの期間をいちいち調べたり、エクセルの関数などを利用したりするよりも、おそらくこの方法が一番手っ取り早いです。

2 サイクル分析の方法

サイクルの調べ方がわかったところで、それを相場分析に利用できなければ意味がありません。
でも、相場のサイクルがわかれば、普通に次の底値のタイミングが推測できそうだということがわかりますよね。

ここでは相場の周期を利用した具体的なサイクル分析の方法をお伝えいたします。

 
2-1 底値のタイミングを推測する

相場のサイクルがわかれば、安値を起点に、次の底値がどこかイメージできますよね?

例えばある相場が6週間のサイクルだったとすれば、安値を付けた週から6週間後が次の底値のタイミングだとイメージできます。

でも、実際の相場では、ぴったり6週間後かと言えばそうではありません。

サイクル分析では、相場にサイクルが生じる可能性は、80%程度だと考えられています。
また、そのサイクルについても相場の底値を「点」で予測するのではなく、周期±17%(6分の1)の「期間」で捉えるという考え方をします。

ちなみに、相場が底値をつけると予想される「期間」のことを「サイクル・ウィンドウ」とか「サイクル・オーブ」と言います。

例えば、先程の6週のサイクルの相場では『この相場は安値を付けた5週から7週後に転換する可能性があり、その可能性は80%程度だ』と考えます。

上でお伝えした米ドル/円週足チャートで、相場のサイクルが55週と言うことであれば、次の安値のタイミングは、底値を付けた2016年6月20日の週から、55週間後の2017年7月3日の週を中心に前後9週間(±17%)になりやすいといった分析をします。(記事の執筆時点2017年1月18日現在)

【米ドル/円 週足チャート 55週のサイクルから見るサイクルボトム(底値)のタイミング】

20170104_8 

2-2 サイクルで相場の方向性を確認する

サイクル分析を利用して今の相場の方向性を確認できます。

確認の仕方は簡単です。相場の底値と底値の価格水準と、その間にある高値がどこにあるのかを見るだけです。

2-2-1 上昇トレンド

【上昇トレンド】

20170104_9

下のイメージのように安値Aよりも安値Cの価格が高く、その間にある高値Bが安値Aと安値Cの中心よりも右側にある状態は上昇トレンドと考えます。

この高値Bが中心よりも右側にある状況を、ライトハンド・トランスレーションと言います。
 

2-2-2 下降トレンド

【下降トレンド】

20170104_10

下のイメージのように安値Aよりも安値Cの価格が低く、その間にある高値Bが安値Aと安値Cの中心よりも左側にある状態は下降トレンドと考えます。

この高値Bが中心よりも左側にある状況を、レフトハンド・トランスレーションと言います。
  

3.まとめ

今回、ご紹介したサイクル分析は次の安値のタイミングをイメージでき、更に今の相場のトレンドも把握できるスグレものです。

ただ、冒頭でもお伝えしたとおり、サイクル分析単体で利用するのではなく、他の分析手法と併用して利用していただくのが良いと思います。

是非、サイクル分析も活用してくださいね。

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