売買タイミングを探るMACDの使い方

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株式やETFFXなど、売買タイミングの判断が難しいと思われる方も多いと思います。

 

実際には相場のトレンド転換がわかれば、そのタイミングで取引をすればいいですよね?

 

そこで今回は、相場のトレンド転換の兆候を把握しようとするテクニカル指標。

もっと平たく言えば、売買タイミングを探るテクニカル指標であるMACD(読み方:マックディー、日本語表記:移動平均収束拡散法)について、その見方や使い方について解説いたします。

1.MACDとは

MACDはトレンドの転換点を探ろうとするテクニカル指標で、特に売買タイミングを早めに察知しようとして作られた指標になります。

それでは実際にMACDを見てみましょう!
【TOPIX連動型上場投資信託(1306) 週足】
 20170125_0
上のチャートは「TOPIX連動型上場投資信託(1306)」の週足チャートで、下段がMACDになります。

 

1-1 MACDは3つの指標でできている

上のチャートでもわかるとおり、一般的にMACDは3つの指標で作成されています。
 1.macd(白い線)
 2.シグナル(赤い線)
 3.ヒストグラム(緑色の棒グラフ)

 

1-2 MACDの売買サイン

次にMACDの売買サインについてお伝えいたします。

 

1-2-1 macdと0ライン

macdが0ラインがクロスしたタイミングです。

 買い macdが0ラインを上回る
 売り macdが0ラインを下回る
特徴:トレンドが継続する場合には効果が高いが、売買サインは遅めに点灯する
【macdと0ラインの売買サイン】

20170125_1

1-2-2 macdとシグナル

macdとシグナルがクロスしたタイミングです。
 買いサイン (特に0ラインよりも下側で)macdがシグナルを上回る
 売りサイン (特に0ラインよりも上側で)macdがシグナルを下回る

特徴:売買サインはmacdと0ラインのクロスに比べると、やや早めになるが、「だまし」も多くなるため相場自体のトレンドの確認が必要
※「だまし」とは、テクニカル分析で売買サインが点灯後、相場が売買サインとは逆方向に動いてしまうことを言います。

【macdとシグナルの売買サイン】

20170125_2

1-2-3 ヒストグラムの増減

ヒストグラムの増減から売買タイミングを計る方法です。

 買いの予兆 ヒストグラムが0ラインよりも下側で減少傾向
 買い    ヒストグラムが0ラインよりも上側で増加傾向
 売りの予兆 ヒストグラムが0ラインよりも上側で減少傾向
 売り    ヒストグラムが0ラインよりも下側で増加傾向
特徴:ヒストグラムの最大の特徴は相場の上昇や下落の勢い(=モメンタム、速度)を示していることです。
ヒストグラムが0ラインよりも上側で増加傾向であれば、相場が上昇していてその勢いが高まっていることが、逆にヒストグラムが0ラインよりも下側で増加傾向であれば、相場が下落していてその勢いが高まっていることが分かります。

また、ヒストグラムが0ラインよりも上側で減少傾向の場合は、相場が上昇トレンドから保ち合い相場や下降トレンドに変化しつつあることが、逆に0ラインよりも下側で減少傾向のときは、相場が下降トレンドから保ち合い相場や下降トレンドに変化しつつあることがわかります。
【ヒストグラムの売買サイン】

20170125_3

 

 

2 MACDは売買タイミングを察知するために作られた

 

冒頭でお伝えのとおりMACDは売買タイミングを早めに察知しようという意図で作られた指標です。
MACDは、投資家の方々に「マックディー」と呼ばれ親しまれていますが、正式名称は「Moving Average Convergence/Divergenc」の頭文字をとったもので、日本語では「移動平均収束拡散法」とも呼ばれており、移動平均線とあるようにその考え方を取り入れたテクニカル指標になります。
ここではMACDの3つの指標を掘り下げて、それらの意味合いをお伝えいたします。

 

2-1 macdは2つの移動平均線の差

まずmacd(白い線)についてです。
macdは2つの期間の異なる移動平均線の差を計算したものです。

計算式
 macd  =  指数平滑移動平均線(12) - 指数平滑移動平均線(26)

下のチャートをご覧ください。
ローソク足には、指数平滑平均線(12)と指数平滑移動平均線(26)を、チャート下段にMACDが表示されています。
20170125_4 

この計算式を見ていただいて、お気づきの方も多いと思いますが、macdと0ラインとの交差とは、移動平均線の「ゴールデンクロス」「デッドクロス」を意味しているんです。

 

【コーヒーブレイク】
MACDで、普通の移動平均線(=単純移動平均線、SMA、Simple Moving Average)ではなく、指数平滑移動平均線(EMA、Exponential Moving Average)を利用しているのは、普通の移動平均線よりも早めに相場のトレンドの変化や「ゴールデンクロス」・「デッドクロス」といった売買サインを察知したいという意図によるものです。

下のチャートは、米ドル/円の週足チャートに期間が同じ単純移動平均線(26)と指数平滑移動平均線(26)を描画させたものになります。
20170125_5 
水色の単純移動平均線よりも黄色い指数平滑移動平均線の方が、相場(白い折れ線グラフ)への追随性が若干速い(相場のトレンドの変化に近い)ことがわかります。

MACDはトレンドの変化や売買サインを早く察知しようという意図で、単純移動平均線ではなく指数平滑移動平均線を利用しています。

 

2-2 シグナルはmacdを移動平均させたもの

次にシグナル。シグナルはmacdを指数平滑移動平均させたもので、macdのトレンドを把握しようとしています。
20170125_6 

macdが0ラインを上回れば買い、0ラインを下回れば売りというのはお伝えしましたが、その売買サインは指数平滑移動平均線を利用していても、やはり遅めになってしまう。
それなら、macdと0ラインのクロスが事前に予測できればいかがでしょう?

具体的にはmacdが0ラインよりも下側で上昇トレンドだとわかれば、逆に0ラインよりも上側で下降トレンドだとわかれば、
『 これからmacdが0ラインとクロスしそうだ! 』
と予想できますよね。

※ローソク足に移動平均線を表示させれば、相場のトレンドがわかります。
※上向きの移動平均線が横ばいから下向きに変化しつつあるときに価格が移動平均線を下回れば、価格は下降トレンドに変化したと考えられます。
※これらの考え方をmacdに応用したというわけです。

シグナルはmacdを移動平均することでmacdのトレンドを把握し0ラインとの交差を事前に知らせてくれるツールということです。

 

2-3 ヒストグラムはmacdとシグナルの差

最後にヒストグラムです。ヒストグラムはmacdとシグナルの差をとったものになります。
20170125_7 

ヒストグラムが0ラインの上側でも下側でも0に近づいくようであれば、「macdとシグナルがクロス(売買サイン)」しそうだ」と予想できますよね?

このように売買タイミングを早めに察知する意図でヒストグラムは作成されています。

3.MACDを使うデメリットや注意点

さて、ここまでMACDの売買サインやその使い方について解説してきましたが、MACDにもデメリットがあります。
どの売買サインを使うかということ(macdと0ラインのクロスは売買サインが遅く、ヒストグラムの増減は「だまし」が多くなる点)と、トレンドがはっきりしない相場や不安定な相場動向ではその威力が発揮できない点にあります。
また、パラメータの変更はあまりお勧めいたしません。

 

3-1 macdとシグナルのクロスを使うのが基本

MACDには「macdと0ラインとの交差」「macdとシグナルの交差」「ヒストグラムの増減」といった売買サインがあることはお伝えしました。
個人的には特にポジションを持つ際には「macdとシグナルの交差」を主に使うのが良いと思っています。

その理由は「macdと0ラインの交差」では、売買タイミングが遅いことが挙げられます。

また「ヒストグラムの増減」。特にヒストグラムが0ラインの上下で減少し始めるポイントは、絶好の売買ポイントとなることが多いのも事実ですが、「macdと0ラインの交差」や「macdとシグナルの交差」に比べて、その判定がしにくく、また、トレンド転換ではなくトレンドの勢いが低下しただけという「だまし」のケースもあるからです。

 

3-2 トレンドを把握するテクニカル指標を併用しよう!

MACDに限ったことではありませんが、チャート分析をおこなう場合には、必ず相場のトレンドを把握しましょう!
トレンドレス(=横ばいトレンド、相場が上昇トレンドでも下降トレンドでもない状態)の相場では、MACDの売買サインが出たとしても、利益を上げる取引にはなりにくく逆に損失となるケースがおおくなります。

チャートに、移動平均線やトレンドラインなどを描画してトレンドを把握して、MACDで売買ポイントを探るといった具合です。

 →移動平均線
 →トレンドライン

 

 

3-3 MACDで利用するパラメータは基本的には変更しない

MACDで利用するパラメータは「12,26,9」が最も一般的ですが、これらのパラメータは殆どの証券会社で変更可能になっています。

ただ、ここまでお伝えした内容を全てご理解されていらっしゃるような方以外は、このパラメータの変更はあまりお勧めいたしません。

仮にMACDをしっかり理解していてパラメータを変えて使う場合、そのパラメータの指数平滑移動平均線も表示して、そのゴールデンクロスやデッドクロスのタイミングが上手く機能しているのかどうか、また、ご自身のトレードスタイルに合う売買サインになっているのかどうかについても確認しておきましょう。

4.まとめ

今回お伝えした通り、MACDは単純移動平均線の売買サインをより早く察知しようとするツールになります。
私自身もMACDは売買タイミングを探るツールとして非常に優秀な指標だと思います。

実際、MACDは1970年代にSignalert Asset Management LLCという運用会社の創設者でファンドマネージャーのジェラルド・アぺルによって考案され、実際にお客様の資金を運用するツールとして利用されてきました。

また、投資家のバイブルとして知られているアレキサンダー・エルダー博士の著書「投資苑(原題:Trading For A Living)、発行所:パンローリング株式会社」の第4章「コンピューター・テクニカル分析」や第9章「トレーディング・システム」の中でMACDを取り上げています。
 20170125_8

更に私自身も、MACDを利用した、又はMACDのアイデアを応用したFXのアルゴリズムトレード(=ストラテジー、自動売買プログラム)で優秀なものをこれまでによく目にしてきました。

こういったことからもMACDというテクニカル指標は、他のテクニカル指標に比べても売買タイミングを察知する指標として、とても優秀なツールだと思います。

 

ただ、MACDを利用して取引する際には、トレンドライン移動平均線などで相場のトレンドもしっかりと確認してくださいね。

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