現役証券マンのFX初心者講座~自分でできるFX勉強法

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FXが為替の値動きを予想して利益を狙う取引であることやその仕組みは何となく分かったので、早速口座を開いてやってみよう!といきなり実践に突入するのはちょっと気が早すぎます。短期的な利益ではなく長期に渡って利益を上げていくために、まずはじっくり基礎を固めておきましょう。そもそも為替はどんな要因で動くのか、普段見ておくニュースや取引のコツはなに?といった今後FXで利益をあげていくために自分でできる勉強方法を、ハイリスク金融商品とともに20年過ごしてきた現役証券マンが分かりやすく解説します。

1.簡単にできるFXの勉強方法

FX取引をするのに最も重要なことは相場観を身に付けることです。

誰でも利益を上げられる方法はありません。でも継続的に利益を上げている人がいるのも事実です。利益を上げている人も、最初はみんな初心者です。初心者から利益を上げる投資家になるためには、誰かに教えてもらうのではなく自分で勉強して身につける他ありません。

でも、資格を取得する勉強ではありませんので、ここでお伝えするのは空いた時間に自分でできるFXの勉強方法です。勉強のポイントは3つ。週一回でよいので継続的に行うことで自ずと相場観が身につきます。もちろん相場に100%はありませんが、少なくとも大きな方向を自分で判断できるようになります。

  1. 基本的な変動要因、見るべきニュースを知る
  2. 現在の価格を知り将来上がるのか下がるのかを予想する
  3. 予想した価格とその理由、そして実際の結果を書きとめること

そもそもFXってどんな取引なのか詳しく知りたい方は、仕組みやイロハを詳しくご紹介したこちらの記事をご覧ください。
>>現役証券マンのFX超初心者教室

 

2.変動要因を理解して自分で予想する

為替がなぜ上がるのかなぜ下がるのか、感覚的には捉えていてもいざ何故と問われた時にニュースの受け売りではなく論理的に答えられる人がどれ位いるでしょうか。ここでは、まず為替変動のメカニズムを理解しましょう。そして学んだことを実践するために、まずは1ヶ月後の価格予想をしてみてください。

 

2-1.通貨の基本的な判断要因

FXの取引対象である通貨ペアは文字通り2つの異なる通貨の組み合わせです。つまり、一つの国を見ても分かりません。2つの国を同じ軸で比較してどちらの通貨が強い(買い)のかを判断するのです。

(表1)は為替レートの決定要因の代表例です。
米ドル円の価格を考える場合、現在分かりやすいのは金利比較です。日本はゼロ金利に対して米国は0.5%から金利を引き上げようとしています。そのため金利の高い米ドルが買われ金利の低い円が売られる、つまりドル高円安の傾向になりやすくなっています。

 

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2-2.為替変動に影響を与える米国の経済指標

為替は日々何かしらの要因で変動していますが、その中でも特に全世界の経済動向に大きく影響を及ぼすのはやはり米国の経済動向です。毎週何かしらの経済指標が発表されており、事前予想に対して結果が良いとドルが買われ円が売られる、つまり円安方向に動いたりします。ここでは、特に為替動向に大きな影響を与える重要指標を3つ覚えておいてください。

2-2-1.【最重要】米国雇用統計

毎月第1金曜日(※)に発表、米国の雇用情勢、景気指標として最重要。発表前後には値段が大きく動きやすい。また、その後の変動に影響を与える可能性が強い指標。
「非農業部門雇用者数」「失業率」に加え「平均時給」なども発表され、事前に予想される数値よりも結果が良い場合にはドルが買われ、悪ければドルが売られやすくなります。特に発表直後は数分間の間に値段が上下するため短期トレード派の人は好んで取引しますが、初心者は結果を見て今後の米国経済が強そうなのか弱そうなのか、それともあまり変化がなさそうなのかを想像してみましょう。

発表時間
標準時:日本時間2230
サマータイム:日本時間2130

●2016年 非農業部門雇用者数予想と結果(単位:万人)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
発表日 2/2 3/4 4/1 5/6 6/3 7/8 8/5 9/2 10/7 11/4 12/2 1/6
予想 19.0 19.5 20.5 20.0 16.0 18.0 18.0 18.0 17.2 17.5 18.0 17.5
結果 15.1 24.2 21.5 16.0 3.8 28.7 25.5 15.1 15.6 16.1 17.8 15.6

※月によっては第2金曜日になる場合もありますので、こちらのサイトで随時確認しましょう。

2-2-2.【最重要】FOMC(米連邦公開市場委員会)

FRB(連邦準備制度理事会)理事7名と地区ごとの連邦準備銀行総裁5名で構成され、米国の金融政策を決定する最高意思決定機関。年8回開催され為替、株価に大きな影響を与える。ちなみに、現在、理事は5名で2名欠員となっているようです。

発表時間
標準時:日本時間4(430分〜議長会見)
サマータイム:日本時間3(330分〜議長会見)

直近、2016/12/14(日本時間2016/12/15)に開催されたFOMCでは、政策金利が0.5%から0.75%へ、0.25%引き上げられました。事前に利上げが強く予想されており、発表前からドルは買われ、発表後1ドル118円台まで円安が進みました。この時点では、2017年に向けてさらにドル買い円安が進むという考えが強まりました。

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2017年の開催予定はこちらを参照してください。

2-2-3.【重要】米国GDP

経済成長率を表す重要指標で、四半期ごと速報値・改定値・確定値の順に公表されますが、最初に発表される速報値が注目されます。

発表時間
標準時:日本時間2230
サマータイム:日本時間2130

●GDP前期比年率推移

第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
発表月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
内容 速報値 改定値 確定値 速報値 改定値 確定値 速報値 改定値 確定値 速報値 改定値 確定値
2016年 1.2 1.1 1.4 2.9 3.2
2015年 2.3 3.7 3.9 1.5 2.1 2.0 0.7 1.0 1.4 0.5 0.8 1.1

速報値が大幅に修正された場合には相場が大きく動きますので、こちらも速報値に次いで注目されます。経済成長率ですので、数値が良ければ米国経済の成長期待が高まり自ずとドルが買われやすくなります。

その他にも為替相場に影響を与えるニュースはたくさんあります。こちらのサイトが分かりやすいのせ参考にしてください。
金融情報サイトiFinance

 

2-3.過去の大きな値動きと要因を知り大きな流れを予想する

通貨の変動はまさに経済史です。学校の勉強で歴史は苦手だったという人でも、大きなニュースになるような事象が起こったときには、必ず為替も大きく動いています。きっかけは米国に限らず他の国から始まるようなこともあります。下のチャートは米ドル円の変動とその時々の重要な変動理由です。大きな流れを知っておくと、将来同様の事象が起こった時にどの程度変動する可能性があるのか想像することができるでしょう。

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3.チャートは現在の位置を判断するものさし

FXに限らず価格が変動する金融商品において、チャートは現在の価格が高いのか安いのか、今後上がる可能性が強いのか弱いのかを測る重要なものさしです。詳しいテクニカル分析を最初から学ぶ必要はありませんが、チャートの基本的な見方は実際に取引する前に覚えておきましょう。

3-1.ローソク足は値動きが一目で分かる

ローソク足(あし)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。株価や為替の1日の値動きは「始値」「高値」「安値」「終値」の4つの価格で表されます。この4つの価格で構成されるのがローソク足です。
始値よりも終値が高い、つまり上昇している場合は白(または赤、海外では緑)、始値よりも終値が安い、つまり下落している場合は黒(または青、海外では赤)で表します。このよう描くことで1日の値動きを一目で確認することができます。

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1日の値動きをローソク足で表し時系列に並べたものを日足(ひあし)、1週間の値動きを1つのローソク足で表したものは週足(しゅうあし)、1ヶ月ならば月足(つきあし)と呼びます。

3-2.チャートは長期、中期、短期の順に見る

ローソク足チャートはトレードに欠かせないものです。様々なテクニカル分析はこのローソク足を構成する価格から生まれてくるものです。でも難しいテクニカル分析を初めから覚える必要はありません。最初は大きな流れを掴むために長期のチャートから見るようにしましょう。

下図はドル円のチャートです。

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3-3.相場のトレンド(値動きの方向性)を見る

トレンドとは相場の流れ、傾向のことを言います。為替レートは常に上下の変動を繰り返しながら、上昇、下降、横ばい(レンジ、ボックスともいう)いずれかの動きを形成していきます。
トレンドなんかいきなり判断できないよ、と思うかもしれませんが、いくつかのメジャーな通貨ペアで月足、週足、日足それぞれのチャートが右肩上がりなのか右肩下がりなのか、それとも横ばいなのか見比べて表に矢印を書いてみるのがよいでしょう。

下の表は2017/1/12現在のトレンド予想(例)です。

通貨ペア 長期(月足) 中期(週足) 短期(日足)
ドル円
ユーロドル
ポンド円
豪ドル円

あくまで大きなトレンドの捉え方なので、これだけで「よしじゃあドル円を買おう!」と短絡的に判断してほしくはありませんが、相場を自分で判断できるようになるための訓練として月に1回程度やってみてください。毎日やる必要はありません。

チャートについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をごらんください。
>>チャート活用のススメ①~チャートを読むとは空気を読むのと同じ~

 

4.投資に役立つ書籍3

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「投資苑」
精神分析医からトレーダーとなったアレキサンダー・エルダー博士が、相場と投資家の精神分析をした心理学的相場書です。15,800円(税別)と少し高価ですが、あらゆる相場の局面を群集の心理の結果として解明しており、単に相場の予測方法を学ぶよりもきっと役立つ一冊です。

 

 

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「投資を生き抜くための戦い」
多くのトレーダーから投機を始める前に読むべき本として推薦されている一冊です。株式相場について書かれていますが、FXもまさに投機。バイブルともいえる学ぶべき内容満載です。

 

 

 

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「稼ぐFX実践の極意」
元外資系銀行のディーラーの著者が、FX取引の実践的なスキルやノウハウを解説。特にファンダメンタルの解説や各通貨の特徴、重要経済指標の読み方などについて丁寧に解説しており、FX初心者には非常に役立つ一冊です。

 

 

 

5.まとめ

いざFXを始めようと思っても、損得ある金融商品に大切なお金を投資するのですから、慎重になるのが当然です。相場は常に動いているので、急いで取引しなければならない理由はありません。まず手軽にできることから勉強を始めるのがよいでしょう。特に為替が動く要因を意識して新聞を読むだけでも相場観は十分養うことができます。ニュースとチャートを見て、1週間後、1ヶ月後のドル円の価格を予想することから始めてみてください。

 

マネーハッチ